徳谷柿次郎のクラフトインターネット日記

ちゃんとしたゴールデン

去年のGWはスローダウン宣言をしていて、とてもゆっくり過ごしていたのかな?と思い返したら、本気の畑づくりと犬のお迎えがあって毎日ホームセンターに通うような日々だった。

そして一年。今年はちゃんとしたゴールデン感を味わえている。前半は4月の疲れをこそぎ落とすように信濃町でゆっくり過ごした。中日は純粋な2泊3日の旅。富山の氷見にある宿『HOUSEHOLD』に泊まった。印象強いのはでかい鯛を煮付ける食事体験。細やかなリクエストに対応してくれるホスピタリティに感激しつつ、セルフでどこまでやるのか?を滞在に持ち込むのはやはりおもしろい。

翌日は金沢へ。1年半ぶりの『sushi直』へ。もうここのお寿司だけで一年生きていけるぐらい好きで、むしろほかの高級お寿司屋さんに行っても「比較ッッッ!」のスタンドを出現させてしまう。

人生に大事な”食の物差し”は欠かせないけれど、もうお寿司とお肉の枠は埋まってしまったんだよなぁ。ハレの物差しは早めに埋めてしまって、果てのない美食の世界からちょっと距離を置いていきたい気持ちがある。杉田玄白も言ってたから。美食は毒にもなりうるぞって。

最終日は思い出したようにクルーズ船が乗りつける金沢の港町へ。目的は『ヤマト醤油味噌』が手掛ける麹パーク。5代目の山本耕平さんとは阪神百貨店の催事でたまたま挨拶をしてから長野でも会う機会があり、そのままジモコロで取材をさせてもらった経緯がある。顔はtofubeats、声はKreva、身体はネテロ会長。おれの好きな要素を詰め込んだキメラみたいな人なので、今後も推していきたい人物でもある。

忙しいなか時間を作ってくれて麹パークを案内してもらったんだけど、豪胆な一族の商才と積み上げがひとつの土地に積もり積もっていて「こりゃ、おもしろい」となった。醤油も味噌もほんとにおいしい。ランチの健康発酵メニューも毎日食べたいような味わいだったし、ソフトクリームもチーズケーキもハンドクリームもぜんぶ自社で作っていた。発酵の総合格闘技でもやっているのか!? 

金沢市内からのアクセスはタクシーで3500円 or 頑張ってバスの二択になると思うんだけど、大人だったら迷わずGOでタクってほしい。旅の満足度が跳ね上がる。おれみたいに最終日の10時〜13時をここに捧げたらいいんじゃないだろうか。

そして本番の5/3〜5/5はどこも混雑が予想されるので、信濃町で家仕事を中心にしつつ、近場で遊ぶぐらいが真のゴールデン。新緑が黄金みたいに輝いていて、車で15分の赤倉観光ホテルにはじめて立ち寄ってみたら帝国ホテルの心意気をビシバシ感じて打ちのめされた。カフェ利用だけでも感動する。野尻湖を望める景色がとんでもなかった。こんなにもゴールデンなことあるのかよ?

あとは本を1冊でも読んで、映画でも見に行けたら言う事なし。労働意欲がどんどん失われているので、この感覚を1年間維持できるような無職になりたい気持ち。お金を稼ぐのは大事だけれど、いまこの瞬間でしか体験できないことがあまりにも多すぎるよ人生は。スローダウンどころか急ブレーキかけるのもありなんじゃないかな。

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