徳谷柿次郎のクラフトインターネット日記

台湾「高雄」で感じたアジアというパラレルワールド感

台湾の高雄で開催されたイベントで、二拠点生活やローカルビジネスについて話してきた。初の海外登壇かつ、同時通訳の不安がずっとあったんだけど、役割を終えることができて肩の荷が5トン下りた。なんて肩が軽いんだろう。砲丸投げのオリンピアになれそうだ。

まず同時通訳のやり方を経験できたのは良かった。そもそも通訳の戴開成(たいかいせい)さんがスペシャルな人すぎて、滞りなく狙ったところで笑いが起きたのも戴開成さんのおかげだと言い切れる。

台湾生まれで中国と日本のアイデンティティを持っていて英語も堪能。落語家としても活動しているため、言葉のエッセンスを解釈し、間を含めた喋りの技術を通して話してくれるのがまぁすんごい。しかも日本のローカル、ソーシャル文脈に精通しているので独特のニュアンスや価値観も理解してくれるので頼もしい限りである。

以下、Chat GPTの要約。


戴開成(たい かいせい)さんは、台湾出身の落語家であり、開樂亭凡笑(かいらくてい ぼんしょう)の名で活動しています。幼少期から中国の伝統話芸である相声(シャンション)や説書に親しみ、後に日本の落語に魅了されました。YouTubeで落語を知り、日本語を習得した彼は、北京語、台湾語、日本語の三言語で落語を演じています。

彼の活動は多岐にわたり、落語や相声の公演、中日翻訳、文化ガイド、さらにはコミュニティデザインや劇場での企画設計など、多方面で才能を発揮しています。

特に、台湾の伝統文化と日本の落語を融合させた独自のスタイルで知られています。

戴さんは、笑いを通じて社会に貢献することを信条とし、常に笑い声の絶えない社会を作ることを目指しています。

彼の哲学は、異なる文化や言語を超えて人々を結びつけ、共感と理解を促進することにあります。そのため、台湾と日本の文化交流において重要な役割を果たしています。

彼の多才な活動と深い哲学は、台湾と日本の文化的な架け橋として、多くの人々に影響を与え続けています。

最近、飛び道具として提案している概念「借金」と「トントンビジネスポンポンポン」をスライドに用いて、文脈を区切りながらお客さんに話したら、それも届いたのがわかった。トントンビジネスポンポンポンに関しては、日本語でもうウケていたので国境を超えた感がある。札幌の神さんに報告したい瞬間だった。

ソトコト指出さん、HafH創業者の大瀬良亮さんも一緒で、トーク会場とテーマは違えど海外で一緒の時間を過ごす体験はとても得難く、普段国内のイベントで過ごす会話とは性質が違ってめちゃめちゃおもしろかった。みんなの生き方、何を大事にして働いているのか。トーク本編とは違った部分で旅に凝縮されている気がしたな。

台湾滞在中は日向くんと一緒に行動。ジモコロ取材を少し挟んで公私混同を絡めた楽しい旅だったが、日向くんが取材先で聞いた話がずっと脳裏の入口と奥底に居座り続けていた。

「日本から台湾に来て過ごしたときに、日本のパラレルワールドなんじゃないかと錯覚する瞬間がある」

日本統治時代はあるものの、言葉も文化も違う。イベント中にも感じた政治的な危機意識、対抗文化から発展したアイデンティティの模索と実践的な行動、半導体を軸とした経済成長のエネルギーと時代性もまったく違う。

それでも、だ。社会が抱える課題感は共有しているし、インターネットを介した情報の速度は広域アジア内の差異を小さくしていっているようにも思える。一言でいえば、日本(だけ)が優れた国であるという思い込みを捨てることが大事。

少子高齢化の先駆者である日本の取り組みや事例を学ぶ姿勢と視点は、日本国内のイベントで触れるものよりも「おお、めっちゃいいな!」となることが多かったし、根本的な危機意識のレベルに準じた実行力は私自身の考えと重なることが嬉しかった。もちろんあの場で出会った人たちは台湾国内でも少数派だと聞いたが、それは日本も同じである。いつだって3割以下の新しい対抗文化が、社会を動かす萌芽を生む。この生態系は世界中きっと似たようなもんだろう。

3泊の短い滞在。帰路は高雄から信濃町まで14時間もかかって、25度近い気温差と体調不良でしばらく疲れが抜けなかったものの、現地の人たちと密に会話をした海外旅行は初めてで学びの深い旅になった。これも声をかけてくれた蔡奕屏さんのおかげです。ありがとうございました。12月の高雄、マジで最高の気候なのでみんな行くんだ!

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