徳谷柿次郎のクラフトインターネット日記

複数の時間軸を持って働いて生きる

人間は複数の時間軸を抱えていたい生き物なんじゃないかと思う。いわゆる自宅とオフィスの通勤だけでは物足りず、サードプレイス的な環境に価値が流れていくのもよくわかる。なぜなら、家族の顔、仕事の顔の2枚看板だけでは息苦しくなるからだ。

人によっては趣味の世界かもしれない。週末だけスナックやBARでバイトするのも一興。この3つ目の世界観を増やそう!というのがサードプレイス論だったわけだが、ここで私なりの新たな価値観を文字にしてみたい。最近、時間軸の流れが増えてきてとんでもなく複雑怪奇かつ、いろんな人生を同時に味わっている感覚でやばいのである。

箇条書きで整理したい。

①信濃町から長野市のオフィスに通って経営者モードのA次郎

②信濃町から飯綱町のパカーンコーヒースタンドで過ごす店舗オーナーのB次郎

③信濃町の自宅と書斎を行き来して、暮らしに向き合って作家性を磨くC次郎

この3パターンに加えて、全国行脚の旅次郎が変則的に加わってくる。配分は週によって変わるが、ここ数ヶ月は3:3:4ぐらいの割合か。どうだろう。こんな人間がほかにいるのだろうか。明確に脳の切り替わりを感じるし、どの自分も自分である。

さらに行動パターンと起きる現象も記録しておく。

①信濃町から長野市のオフィスに通って経営者モードのA次郎

片道は約40分。Huuuuのコミュニティオフィス「MADO」でパソコン作業に集中。銀行に顔を出すことも多い。スタッフやオフィスメンバーと雑談しながら、コミュニケーションの総量を増やすべく、ランチやタバコに誘い出す。3時間集中すれば滞りなく仕事が捗る。欠かせない空間になってきた。

知り合いのお店に顔を出したり、流れで温泉でしっかり休養し、時が許せば「スナック夜風」に繋がるようなお酒の席を楽しむ。信濃町に帰れなくなるので最近は飲みは控え目。おめぐを軸に日向くん、藤原くんと酒なし晩ごはんで過ごすことが増えてきた。これはこれでちょうどいい。

②信濃町から飯綱町のパカーンコーヒースタンドで過ごす店舗オーナーのB次郎

片道15分。いつもと違う車やバイクで顔を出す。店長のゆかちゃんと話しながら、コーヒーをまず飲む。小腹が空いていたらおやきやお菓子をつまむ。今後のお店について話しているうちに地元の人が出入りしたり、初めてお店に足を運んでくれた人たちと交流。小松さん、小林くんとDIY改装の話も定期的にしていて、すでにいい感じすぎるコミュニティに育ってきてる。

ここでは自分の本や雑誌、レコードなど、自宅の延長になるような秘密基地的な要素もある。家では読めない雑誌を読んだり、レコードを聴いたりなど、やりたくてもできないことを叶えられる場所になりつつある。たぶんパカーンコーヒーに顔を出している時点で、時間に余裕がある。

長野市では出会わないタイプの自然暮らし寄りの人が多いので、コーヒースタンドとしての機能性/交流性のポテンシャルに日々驚いているぐらいだ。マジでおもしろい。とにかく、店長のゆかちゃんが最高。ツーカーすぎる。ここにいるおめぐはとても元気。新人スタッフとの交流も集中型のMADOとは違った時間が流れる。

③信濃町の自宅と書斎を行き来して、暮らしに向き合って作家性を磨くC次郎

外に出る用事がないときは極力家で過ごしたいと思っている。これはもう本気で。それぐらい信濃町の環境は素晴らしい。自然とともに暮らすための用事は日々山盛り。せっかく書斎を作ったので、家の事に追われながらも隙間で書斎に逃げ込む。ZOOMの打ち合わせをすることもあれば、原稿を書いたり、本を読んだりして過ごせる。

犬の散歩をじっくり味わうときは野尻湖まで片道20分かけて歩く。天気がよければ絶景が楽しめるし、LAMPに顔を出して近所付き合い的な会話も弾む。田舎で閉じてるかと思いきや、このLAMPとTha Sauna目当てで全国の友人知人が訪れるため、サウナだけ顔を出したり、夜ご飯だけ一緒にしたり、その前後でうちに来てもらってゆるい時間を過ごすことも多い。遊びにこと欠かない。

冬になれば17時ごろには日が落ちて真っ暗。晩ごはんを作って、腹を満たしたらこたつの前に座ってTverでバラエティ番組を消化。「水曜日のダウンタウン」の電気イスゲームがおもしろすぎる。21時ぐらいになって余裕があればNetflixかAmazonプライムで映画を1本観れたらその日の満足度はもうハワイ。飲み会が激減した分、こういう時間を楽しめているのは元々インドアインターネット人間の自分にとっては幸福なことこの上ない。

もう少し落ち着いたら、文章をがんがん書いて次の本を作りたいし、さらに欲を言えばラップ的な詩を手書きで書き溜めたいなと思っている。3年後ぐらいに詩集を出せたらめっちゃいいが、夜の狂気が消えた分、昼の狂気=店作りの中毒性に飲み込まれている。

こんな調子でそれぞれの時間軸が存在していて、この3パターンのルートを行き来しながら、グラデーションのある人間関係の交差を楽しんでいる。みんな違う顔があるのでおもしろいし、サードプレイスどころか、トリプルライフ的に通う場所と自分のかぶる仮面を変えていくのはとてもおもしろいのでおすすめしたい。

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