徳谷柿次郎のクラフトインターネット日記

グランドオープンの達成感と持続性

10月19日、パカーンコーヒースタンドが遂にグランドオープン。7月に思いついた衝動が、こうやって形になるのはとても感慨深いし、お店づくりの中毒性みたいなものを感じてしまった。

お店づくりには人生の総合格闘技的な側面がある。まずは土地を見極める力、そして不動産視点で建物の価値を考える。自分の求めている物件なのか。他者にとっておもしろいと思える世界観にできるのか。そこに家賃設定から経済合理性を計算してみて、「うん、細かいところはよくわからんけど、これならいける気がする!」の感情を引きずるだせばいい。

次に大事なのがコンセプト。やりたいことの衝動と言い換えてもいい。人生を懸けて死ぬまでやり続けるなんてほぼ不可能な時代、まずは5年間走りきれるぐらいの強度が必要なんだろうなと思う。自分が飽き性な部分もあるが、社会や地域にどういう小さなインパクトが与えられるのか。でかいことは考えず、小さな面白さを複数に共有できるもの。スモールビジネスの正体はそういう積み重ねな気がしている。

要過ぎて詳細を省きたくなるのがお金。これは金額次第なんだけど、元出がなければ銀行で借りるしかないやつ。つまり「借金」。まともな大人だったら500万円ぐらいは借りられるんじゃないかな。Huuuuはホワイト企業なので、念のための2000万円融資を受けているため、今回はそのキャッシュをドーンと充ててみた。防御力を少し削りながら、攻撃力を上げるイメージ。お金は寝かせていても色気が出ないので地域にあったらおもしろいを形にするのは大事!!

最後はスタッフ含めた仲間集めに集約される。鶏が先か、卵が先か。身体性を伴うお店づくりの作業(特にDIY)は、とにかく仲間が生まれやすい。この性質を理解していれば、仲間がいなくともプロセスの中で仲間が生まれる。元々、たくさんの仲間がいたとしても、さらに関係性が深まるので言うことなし。

メッセンジャーやZOOM会議でコミュニケーションを取れていると思ったら大間違いで、現代の落とし穴はここにある。なにかと理由をつけてパソコン仕事から離れて離れて、手足を動かした時間の共有に、人間性を高めるコミュニケーションの根っこがあるのだ。大変であればあるほどに、その根っこは毛細血管のように広がって、スムーズな感情の交換につながる。横文字のマネジメント論が自分に合わないのは、この店舗づくりのおもしろさに味を占めているからかもしれない。

グランドオープンの感想を書こうと思ったら、お店づくりの中毒性について考えてしまった。もちろんここから営業広報、日々の店舗運営の持続性がとにかく求められるので勝負はここから。無理なく、柔らかく、トントンビジネスの醍醐味は続けることに意味がある。

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