また勢いで店を始めてしまった。武士のいう「またつまらぬものを切ってしまった」に近い感傷がありそうな書き出しだけど、「またおもしろくなることをやってしまった」が正しいと思う。長野県の飯綱町の倉庫物件を改修し、たったの3ヶ月でコーヒースタンドを作ってオープンする。
ワンフロア150平米の二階建て。まずは1階部分の天井、床をDIYでペンキを塗って、床材をゴリゴリと剥がし、腰がねじれちぎれるような時間を過ごしていたのだが、ヌーの群れように人を引き連れてひたむきに向き合ったらええ感じに姿が見えた。この喜びはとてもフレッシュで、人生で一度はクリアしたかった「DIYで店をつくる」が達成できたのだった。
しかし、実際のところはようやく賃貸物件で借りる段階に辿り着いただけの話。そう、テナントに近い状況に持っていくだけで2ヶ月が経過している。残り1ヶ月でメニュー開発、内装、家具や音響の調達、備品の買い出し、ご近所への挨拶、足りないものを日々Amazonでポチりながら一個ずつ「いいお店然」としたなにかに向かっているのである。
途方もない作業。途轍もない疲労。
あえて漢字表記でここに感情を残しておきたい。同時並行で会社の決算作業をこなし、新規案件の対応に追われている。あほみたいに主催イベントもやっているし、急な連絡で人が来たらできるだけ笑顔でニコニコと対応し、夜の飲み会にも山奥から駆け下りる妖怪の顔をしながら町に繰り出す。嗚呼、やってこ人生……。
それでもテンションとモチベーションは安定して高いことだけは胸を張って言える。なぜなら、パカーンコーヒースタンドの店長・ゆかちゃんが素晴らしいセンスと人間性で場をどんどん良くしてくれるし、新卒のふろめぐは水を得た魚、マサカリを持った金太郎のように現場力を発揮し、毎日楽しそうにケラケラ笑いながら表情爆裂豊かに働いているからである。
鶴亀の小林くんには大工作業+写真のクリエイティブでお仕事をお願いしていて、ローカルの生き様を体現したDIY精神と場を調和する力はやはりすばらしい。ひとりひとりの前向きなエネルギーが、ロンギヌスの槍のように尖強くしなやかに伸びている気がする。とても嬉しい光景ともいえる。みんなが元気だから、おれも元気。そういうシンプルなロジックで人の背骨は立っているのかもしれない。
仕事ってこういうことなんだろう。パソコンに向き合うのは純度の高いインターネット人間として手放せないが、身体を動かして五感で情報を交換する時間を一定数保つことの価値、そして優位性は今後ずっと高まり続けるだろう。じゃないと帳尻が合わない。株価をにらめっこしつづけた人間がお金持ちになってる事実。70円で仕入れたりんごを100円で売って誰かの食卓を豊かに彩っていることの営みっちゅーものが軽んじられて、コンビニのカットりんご薄っぺら5個が150円みたいな利便性がのさばるのも、社会変化と選択肢なのかもしれないがめんどくさくて大変なことに向き合い続ける人間の最後はきっと美しいぞ!
疲れた状態でよくわからない日記を書くとこうなる。10/19にパカーンコーヒースタンドはグランドオープンする。それまでにクラファンも作り上げないといけないし、メディア向けのプレスリリースも打たないといけないし、思いつきの一個ずつを形にしなければ気が済まない。この気が済まなさだけでへどろような疲れを置き去りにして、明日もまたお店に向かうことができる。押忍、やるぞ。
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